2026.03.22
人事制度設計に入る前に整理すべきこと
これまでのコラムでは、
働く人の価値観の変化や採用市場の現実、そして「給与・休日・希望(新3K)」が企業選びの基準になりつつあることをお伝えしてきました。
そのような外部環境の変化を見聞きすると、すぐに会社の人事制度の改定に着手しなければいけないと考えてしまいそうですが、その前に立ち止まってしっかりと考えておきたいポイントがあります。
■ まず、貴社はどのような会社・組織を目指しているのでしょうか?
現在の会社・事業全体を見渡したとき、その目指している姿とのギャップはどの程度でしょうか?
また、かつて会社を興した時や業績が良かった時に比べて売上や利益の状況はどうでしょうか?会社の雰囲気はどうでしょうか?
改めて、貴社の目指すべき姿、どのような会社でありたいのか、そのための会社づくりはどのようにしていくべきなのかを整理し、その実現に向けての課題を洗い出し、列挙していく必要があります。
- これから会社をどんな状態にしていきたいのか
- どこを強みにして事業を伸ばしていきたいのか
- どういう人材を求めていくのか
- 働き方や処遇について、何を大切にしたいのか
このように描いた「ありたい姿」と現状とのギャップが課題であり、それらの課題に優先順位をつけていく必要があります。
それらの課題解決の手段として、人事制度を新たに導入することが功を奏すのであれば、制度の設計に着手していくという順序を経る必要があります。
この順序を踏まず、社外環境だけをみて制度だけを導入すると、
会社にとっても、社員にとってもWin-Winとなる制度にはならず、会社の雰囲気に合わないものになってしまったり、社員のためだけもしくは会社の独りよがりの制度となってしまい、課題の解決につながるどころか改悪になってしまったりすることもあります。
■ 小さく始めていくという方法もある
「○○会社、次年度より人事制度を刷新!」というような報道をよく目にします。
確かに人事制度改革として、これまでの風土を刷新するために広範囲の制度を一気に改定をしていく手段もあります。
一方で、人事制度を少しずつ改定していく方法もあります。
- 貴社のありたい姿を整理する
- どのような課題があるのかを列挙する
- 課題解決の方向性を定める
- そして、それらの課題解決をできるところから着手する
こうしたステップを踏むことで、
制度は会社に根づく仕組みとして育っていきます。
大切なのは、
「完璧な制度を一気に作ること」よりも、
会社の方向性とズレない形で、無理なく一つずつ進めることが、特に中小企業での人事制度導入においては重要だと感じています。
■ 制度は、会社の「これから」を映すもの
人事制度は、
会社の“今”を整えるためのものでもありますが、
同時に、これからの姿を映すものでもあります。
- 採用でどんな人に来てほしいのか
- 社員にどんな働き方をしてほしいのか
- どんな組織でありたいのか
こうした考えが制度に反映されている企業ほど、
採用・定着・育成がうまく回りやすい傾向があります。
■ このコラムのおわりに
人事制度は、
「制度を作ること」そのものよりも、
どこから、どんな順番で考えるかが重要なテーマです。
もし、
- どこから整理すればよいのか分からない
- 制度の話になると、どうしても場当たり的になってしまう
- 一度、事業や組織の整理から考え直したい
と感じられている場合、
第三者である専門家の視点を入れて整理することで、
考えが一気にクリアになることも多くあります。
当事務所では、
貴社のありたい姿(グランドデザイン)の策定と、その実行を支援することを通じて、
人事制度を「作る」だけでなく、「活きた仕組み」として定着させるお手伝いをしています。
ご関心があれば、お気軽にご相談ください。