Column

2026.03.15

これからの人事制度の方向性(後編) ~ 働きやすい制度構築と人的資本経営編 ~

これからの人事制度の方向性(後編) ~ 働きやすい制度構築と人的資本経営編 ~

前編では、新3Kや採用市場の現実を踏まえ、中小企業に求められる“制度の土台”について記載をしました。

後編では、その土台の上にどんな制度を積み上げるべきかを整理してきたいと思います。

■ 休日の基盤を整えたうえで、“柔軟性を少しずつ”導入する

柔軟性の導入は、すべてを一気に変える必要はありません。

・ 年休を取りやすい雰囲気づくり

・ 残業の上限と理由を明文化

・ 始業・終業の前後30分の選択制

・ 月数日の在宅勤務を試験導入

こうした小さな仕組みでも、

“働きやすい会社”という印象を形成する大きな要素 になります。

■ 評価制度は「シンプルで説明できる」が最も重要

評価制度は、

・ 期待する役割・職務

・ 評価基準

・ 昇給・昇格

を明確化し、誰にでも説明できる状態 であることが、従業員への透明性を生み、不信感を払しょくしてくれることになります。

企業規模や業界・職種にもよりますが、

複雑な制度を導入しなくても、3〜4段階の等級制度でも十分に適応することができることがあります。貴社の企業文化や業態、職種にあわせ、 “背伸びしない制度” が最も運用しやすく、

評価と育成の連動にもつながります。

■ 人材育成は“小さく仕組み化”

大企業のように、必ずしも大規模な研修や制度を設定する必要はありません。

・ 1on1面談の実施

・ 新人フォローチェックリスト

・ OJTの型(手順書)

・ 評価制度を活かしたフィードバック

こうした”仕組み”を整えるだけで、

育成の属人化が解消され、生産性の安定・離職防止につながります。

■ 人事制度は「人的資本への投資」という考え方が鍵

人事制度は社員のためのコストではありません。

企業の未来を支える投資であり、人的資本経営そのもの です。

定着率が上がる

組織力が安定する

採用コストが下がる

顧客満足度が向上する

若手が育つ

こうした積み重ねはすべて、

事業競争力を高める“人的資本経営”の成果となります。

これら制度づくりは、本業がある中、なかなか経営者の皆様だけで解決することは難しい分野だと思います。

だからこそ、専門家を活用しながら、

自社のペースで一歩ずつ整えていくことが大切です。

次回の関連コラムでは、これらの制度をどのようなステップで整えていくかを検討していきたいと思います。